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Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.453 Zeichen · 101 Bildschirme

Aozora Bunko

初めてお目にかかれる時、私はきっと「死にもしなかった!」と云って笑って貴方を眺めることであろう。そう思って居りました。今、私は決して急な危険など迫った状態ではありません。然し、これまで、考えて見ると、私はちっとも曰く付の心臓について、具体的なことを申上げて居ませんでしたね。それは、なげやりに暮していると云うより、普通の生活条件の中では私はどちらかというと御存知の通り用心深く体を扱う方ですし、心持の方から云えば、いつだって元気で、外に云いようがないし、つい細々したことをお喋りしなかったのです。でも、きょうはこの風変りな手紙の書き出しに、私は少し自分の心臓について書きましょう。そして、貴方に安心して頂き、これから余りそんなことを繰返し書かないですむように。

(一)私が丸まっちい体をしているので心臓が疲れ易いということ。これは最も見易い常識。

(二)一昨年の一月から六月十三日に母の危篤により帰る迄の間に私は猛烈な心臓脚気にかかっていて、胸まで痺れ、氷嚢を当て、坐っていた。

私の心臓が慢性的に弱ったのは、この第二のことからです。その時は、オリザニンの注射その他の治療で直そうとし、大して苦情なく暮すようになって、貴方に初めてお目にかかれた十二月初旬には、もう自分の体のことなどお話する必要なく感じて居たのでした。