Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.453 Zeichen · 101 Bildschirme
作家としての発展の段階は生涯のうちに幾つ自覚されるものであるか、それは人によって、又その人の稟質の豊富さによるのであろうが、私などはこの頃になって小説というものにつき、そのこしらえものと、そうでないものとの差別がはっきりして来たようです。小説家としての発育は、小説を書くことでなされるという特殊な面が、人物の完成ということと微妙に相関している。人物が出来ている、だから直ぐいい小説がかけるとだけは云えず。芸術上の実践ということについては、まことに興味津々たるものがあります。英樹さんの評論の原稿を、私は興味と責任とをもってよみます。小説家と理論家とのちがい、そして理論家の素質というものについて、そのむずかしさについて感じます。何と、人生さながらの小説が欲しいでしょう! 科学者の随筆が小説よりも面白いと思われるという傾向が昨今あります。それは小林秀雄が、わけの分らぬ言葉の手品をしていたり、妙な下らぬ小説や賞がはやって、常識がそれにプロテストするからなのだが。
そのプロテストが又いろいろの事情によって三四年前とは全く異り、手がこんでいてひねくれていて、はっきり自明なことではイヤイヤをするというのだから、相当なものです。