Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.810 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

きのうは本当につかれた様子をしていらしたし、いかにもおなかの気持がさっぱりしない風でした。其でもあなたの心持がやっぱり相変らず平らかで、笑顔も暖く励ます光をもっていることは本当に本当にうれしい。私たちはいろいろのことから健康を失ってはいるが、私たちに健康を失わせた人生の経験は、私たちに不健康の中でも、互の笑いに輝きあらしめる力を与えているというのは何と微妙であり意味ふかいことでしょう。病気であるのに猶且つ健康な人々の心のはげましになり、生きかたのよい刺戟になり得る。私も及ばずながら病気したってそういう風に病気をし、それを克服してゆこうと思います。

では又ね、ゆっくりいろいろ書きます。どうかおなかのブツブツが早くましになれ!

九月四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 国府津より(御幸ヶ浜海水浴場の絵はがき)〕

九月四日、四五日いなかった間に国府津はすっかり秋めいて来ました。御気分はいかがですか。おなかのいやな心持はずっと同じですか。私は盲腸がつきものになってから、そのおなかの感じがややわかります、眉のところへ反射して来るようなあの感じ。お大事に熱は下りましたか? 涼風が立ってしのぎよくなったらとたのしみです。