Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme

Aozora Bunko

豪徳寺というお寺を散歩しました。ここに井伊直弼の墓があります。又招き猫という、縁起の猫の本尊(由来不明)があって、花柳界などこの頃大層な儲りかたにつれ、お猫様繁昌で紫のまくがはってあったりするのを見ました。坊主が自動車に重りあってのって、どこかへ(お彼岸だから)出かけてゆきました。そんなものをも見て珍しく散歩し、夕飯をたべ、かえりました。ター坊のおっかさんの話、本当に真率でいい心持だし面白い。本当は東京にいたいのですって。しかしもし万一のとき心配だからと云って、他の子供たちがきかない由。

島田からお手紙が来ました。お元気で、働いているものもいい若者たちだそうです。甘党だから何かと思っているとありますから、何かお送りしましょう。隆ちゃん五六月頃には渡支の予定だそうです。六月には、皆留守だから御法事も大したことはせず、達ちゃんが秋にでもかえれば(只そうお思いなのか、何かよりどころがあるのか不明です)すぐお嫁さんもたせなければならず、その折は私にぜひ来て貰わなければならないから、この六月には来ないでいいということです。達ちゃんのことはそれとして、私は、皆がいないのだから猶一寸でも行ってあげたい気持です。