Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
一日海で遊んで夜かえって来ました。けさ、大キゲンでおきて、私が「アボチン、アッコおばちゃんのお机の草、もう古くなったから又とって来てよ」と云ったら、大得意で、「もうとって来てあるよ」と見得をきりました。離れの前が草蓬々なの。そこからとって来るのです。それが机の上にささっています。こういう面で考えると、私が目白で一人で暮している暮しが、こまごました日常のなかで与えないものの少くなからずあることを感じます。
けさは、ひるすこし前からはじまって、二十枚ばかりの原稿になる口述しました。『婦人画報』一問一答。若い女のひとの生活について。二十枚ぐらいそのまま文章になるように話すのはくたびれます。咲枝、もう出産が迫って来たので重さや何かで腰が苦しがっている、それをすこしなでてやって。そしてまことに奇妙な手紙よみました。岡山の一人の女のひとが、お金を三十円かりたいのですって。いるわけは云えないのですって。詐欺でないことはたしかなのですって。無学とかいてある字は少くとも女学校は出て居ります。山本有三のような作家、さぞひとり合点な手紙よこされるのでしょうね。こういう手紙には返事も出しかねますね。