Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
大変インティームな心持。
夏のかーっとしたような、あけっぱなしな汗一杯の季節の終るころ、こういう雨の日があるなどと、なかなか自然も洒落て居りますね。
きょうは熱いかがでしょう。お大切に。きょうの手紙はパラリとした手紙。詩のようなものは紙に余白をもって刷りますからね、では又ね。
八月二十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
八月二十三日 第八十一信
降りそうなお天気でむしますこと。御工合はいかがですか。今日は咲枝が十日ぶりで病院からかえる日なので、朝からいろいろと忙しく、三時すぎやっとうちへ安着。
泰子にかける蚊帳を私たちのお祝としてやる筈のところ、出来合が寸法合わず。さりとて、きょう蠅をとまらせてはおけないので、ふと思いついて、お膳の上にかける紗の布をかいました。それに桃色リボンをちょいと結んでつけて。そんな準備してから病院へ行き、かえりに団子坂の途中にある菊そばの前のお産婆さんのところによって、明日からお湯つかわせに来ることをたのみ。
下で太郎が、すこし赤坊にやきもちやいた声で甘ったれているのが聞えます。ああ、ああ、これで無事に父さんと太郎とをひきついで大安心です。