Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
一区切りつけて、旅行に出る前に参ります。それが一番いいでしょう。旅行も行ってみたい半分、気億劫半分よ、正直なところ。何しろぽつんと一人だから。おともの分を負担しにくいから。読みかきが自由でないからなのね、きっと。それにまだ外を散歩するというのも思うにまかせず。開成山は国男さんがすこし迷惑らしいし(今の駐在の人が名うての人で、村でも閉口しているそうで)私もそれでは恐縮ですし。とかく水不足でお湯に入れないのは切ないし。つまるところ上林か、鷹の巣という、頭に特効ありという温泉かどちらかへ行くでしょう。山形県と新潟の境のようなところにある鷹の巣というのは、割合まだ俗化してないらしく、物資は春頃問い合せたときは信州よりましのようでした。上林は鯉があったのに、今それがないのよ。すると全く魚なしです。野菜も豊富でないからそういう点は余りよくないのよ、米も。只こんな丈夫でない人しか思いつかないことがあるのですが、米沢まで直行だと夜寝台とって横になってゆけるのよ。それからのりかえて羽越線で二三時間らしいの。長野までは夜行では半端で、それから電車が二時間余でバスが猛烈なの。