Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
近頃ツワイクの仕事、このザイレの本、イギリスのストレチーの「ヴィクトリア」をよみ合わせ、伝記又は伝記小説について、学ぶところがあります。私の内面の世界は少なからず房々と重くみのった葡萄の実をとりいれ、それは今の私に多大の滋養を与えます。そしてつつしんで思うのよ。自分の日常が、こういう人間の偉大な光を、何の歪めることなく、自分で自分に云いわけせず、こんなに真直わが面を輝す光としてうけとれるように営まれていることは、どんなに感謝すべきであるかと。独力の可能の限界がわかっているからこそ。よくて。ここに小説家としての私が小さな盆からこぼれるところがあるのよ。小説は新しくならねばならず、古い小説の世界から私は彗星となっている自分を感じます。彗星は凶兆ではなくて、ケプラーによれば、科学的に測定されるべきものであります。
九月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
九月二十日
世の中には意外なこともあるものね、と申しても実例は、あなたがお笑い出しになることですが、ケプラーが生れた翌る年バルソロミウの虐殺を組織したフランスのカザリン・ド・メディチ(一五一九―一五八九)が、近代のバレー(舞踊)演技の最初の組立て人だという事実があります。