Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
バルザックは妹に、小説の原稿をよんで貰い、文章に手を入れさせ――溢れるところに、土堤をこしらえさせました。その妹に、すごい別嬪だよ、というような語調でハンスカ夫人のことなどうちあけているのよ。
バルザックのねうちが分るためには、人間鑑識の目がよほどリアリスティックに高められなければなりませんね。羽織の紐をブラリブラリと悠々たらして、奴凧のように出現する無比の好漢は、エティケットを云々する文化女史にとって、どんなに大ざっぱで可怪しい工合に見えることでしょう。ロダンはバルザックをあの有名な仕事着姿で、ロダンらしく、すこし凄みすぎて甘みぬきにしすぎて居ると思います。バルザックはああいう英雄ではないわ(ロダンのバルザック記念像の形、覚えていらっしゃるでしょう? あのヌーとした。巖のような)ぼってりして肉厚な体で、テレリとしたところもある口元の、シャボテンで云えば厚肉種です、汁の多いたちよ。余りまじり気なく男で、女性の影響なしにいられなかった、そういう男です。
炬燵に入って、こんな話を次から次へしたとしたら、どうでしょう。ところが、そうなったらおそらくわたしは一ことも云わないで半日たっぷりくらすでしょう。