Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
さや豌豆で思い出しましたが。
一月十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
一月十一日
一月八日のお手紙有難う。
泰子はいいあんばいに順調でこの頃は私が「やっこちゃん遊びましょう、ジュクジュクジュク」(これは歯と唇の間からたてる妙な音で泰子のお気に入り)というといかにも美しい顔で笑うようになりました。丈夫な子でも肺炎をすると数年遅れるというから泰子などはさぞひどいことでしょう。
すっかり髪が脱けました。病後のやつれたしかしほっぺたなんかの赤い顔をして目はキラキラ全く星のかけらのように見事に輝いています。この輝きがもっと天上的でなくなって人間の子の喜んでいる目付に戻らなければすっかり回復したとは言えますまい、大変可愛いことよ。手がまたなくなっていますが、私はもうああちゃんが丈夫だから下のさわぎにはかかわりなく今日のように気持よい雨がどっしり降って、ぬれた冬の木立がきれいにみえるとこの間に一本大島椿の真赤な花の咲くのを植えてみようなどと考えています。昨夜珍らしく夜中に眼が覚めたらあたりの暗闇と自分の安まった気持の深さとがいかにも工合よく調和していて、病気以来暗闇が圧迫的で苦しかったことがすっかりなくなっていたので嬉しゅうございました。