Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
あなたは笑ってききおいて下さればいいのよ。
(十一) こちらでは今のところ万事ひどい有様だから黙っているのも気の毒故、そちらの一ヵ月分ほどずつ払っています。それはごくの基本で雇人の心づけやいろいろ薬代その他は又別です。
字が妙なのに面白くもない手紙で相すみません。でもね、これだけきめて人にもたのみ、あなたも知っていて下さると私は安心してよく眠れるようになるのよ。
いろいろの場合に暮してみると、人々の生活は、どんなに自分のことにばかり追われているか、賢いにしろ愚かにせよそういうのが十人のうち九人以上で、親切な心は誰にでもあるものながらそれは実現する力は誰でも何と小さいでしょう。少し世の中を知ったものはその事情をよくわかって、親切の出来るような条件をこしらえておいて人々の親切も待ってやらなければ、と思うわね。自分たちの生活の日々が二六時中バランスを失いがちで重心が移動するのをやっと保つ玉のり生活をしているのが大部分の人だから、私たちは出来るだけ事務的な手かずで、ことが進んでゆくよう処置をしておいてやらなければ、弟妹たちに何の工夫や積極の考慮がつくでしょう。