Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Lesen Sie 獄中記 (ごくちゅうき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.988 Zeichen · 58 Bildschirme
ガラス越しに見たそとは星一つない真暗な夜だった。室の四方は二尺くらいずつの間を置いた三寸角の柱の間に厚板が打ちつけられている。そして高い天井の上からは五燭の電燈が室じゅうをあかあかと照らしていた。
「これは上等だ。コンフォルテブル・エンド・コンヴェニエント・シンプル・ライフ!」
と僕は独りごとを言いながら、室の左側の棚の下に横たえてある手拭掛けの棒に手拭をかけて、さっき着かえさせられて来た青い着物の青い紐の帯をしめ直して、床の中にもぐりこもうとした。
「がみんなはどこにいるんだろう。」
僕は四、五日前の市民大会当日に拘引された十人ばかりの同志のことを思った。そして入口の戸の上の方についている「のぞき穴」からそっと廊下を見た。さっきもそう思いながら左右をきょろきょろ見て来た廊下だ。二間ばかり隔てた向う側にあの恐ろしい音を立てる閂様の白く磨ぎ澄まされた大きな鉄の錠を鼻にして、その上の「のぞき穴」を目にして、そして下の方の五寸四方ばかりの「食器口」の窓を口にした巨人の顔のような戸が、幾つも幾つも並んで見える。その目からは室の中からの光が薄暗い廊下にもれて、その曲りくねった鼻柱はきらきらと白光りしている。