Japanische Klassiker mit Furigana
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たまとりものがたり
玉取物語
久生 十蘭
Lesen Sie 玉取物語 (たまとりものがたり) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.495 Zeichen · 19 Bildschirme
ぬのか」といきられ、片膝をあげてふぐりを見せた。山添は目をそばめて熟々と拝見いたすところ、右の方のふぐり玉が、軍鶏の卵ほどの大きさになって股間にのさばりかえっているのに、先ずこれはと仰天した。とても人間の身につくものとは思えない。強いて附会ければ、癩者の膝頭とでも言うべき体裁だが、銅の色してつらつらに光りかがやく団々たる肉塊の表に、筋と血の管の文がほどよく寄集まり、眼鼻をそなえた人の面宛然に見せている。頭に婆娑たる長毛を戴き、底意ありげな薄笑いをしているところは、張継が「楓橋夜泊」の寒山拾得の顔にその儘であった。
「病草紙」という絵巻物のあることは御存じであろう。鼻頭の黒き男、眠られぬ女、風病の男、小舌のある男、肛門のない男、また数ある男、男女両性の人、頭のあがらぬ法師、息の臭い女など十五段に白描の写しを合せ、十六段一巻となっている。他に侏儒と背高男の掛軸、鶏に眼を突つかせる女、悪夢に襲われる男の三図がござる。「餓鬼草紙」、「地獄草紙」と同じく、詞は寂蓮、絵は土佐光長の筆と言伝えられている。世に厭わしき病気の数々を描き列ねたは、人間の病苦や六道三世の因果の理を示したものであろうか。