Japanische Klassiker mit Furigana
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げんじつのひつよう
現実の必要
宮本 百合子
Lesen Sie 現実の必要 (げんじつのひつよう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.068 Zeichen · 9 Bildschirme
労働法が出来たけれども、国鉄従業員が尤もな待遇改善を求めると、当局はそれを拒むことの出来ない代りに、忽ち、運賃値上げをして、人民の負担に転化する。逓信院の値上げにしても同様である。何十万人という従業員は、やっといくらか給料がよくなったかと思うと、はや、のっぴきならぬ生活必需費で、増したよりも多くしぼられる。国鉄という一場面、一職場で、よしんば給料が上ったにしろ、日常必需の他の面でハガキ一枚二十五銭になられたのでは、やり切れないのである。まるで、人民はこう云われているように感じる。民主の日本と云い、労働法をつくれと云ったから、その通りにしてやった。云うとおりにすればこんな工合だぞ、と。一つの職場に働く勤労者、一般市民が、待遇改善に成功する他の職場の勤労者に対して、心からの同感や協力を感じないように、何となし迷惑めいた気をもつように、扱われている。働く人民にとって、こういう風に互の一致を裂くように仕向けられているということは、十分注意しなければならない点である。
農民と都市の勤労者との間にも、同じような離間の方法がとられている。精根つくして自分で米をつくっている農民が、強制供出に応じなければ、刑にふれて牢獄に入れられることになった。