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Japanische Klassiker mit Furigana

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たまつきばのいちぐう

球突場の一隅

豊島 与志雄

Lesen Sie 球突場の一隅 (たまつきばのいちぐう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.111 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

空は綺麗に晴れて星が輝いていた。清い新鮮な気が夜を罩めて、街路はひっそりと静まり返っている。夜更けの瓦斯の光りには、何処にも宵の雑沓の思い出がなかった。

「いい晩だねえ。」

「ああ。」

暫く無言で歩いていたが村上は急に思い出したように云った。

「一体今日はどうしたんだい。」

「何が?」

「何だかいつもと調子が違うぜ。」

「ああそうか、」と云ったが、松井は急に種々なことが頭の中に湧き返った。種々の思いが一緒に口から出て来た。「僕はもうあの家で余り夜更しをしたくないと思ってる。球を突き倦いてしまってからまで愚図々々しているのはもう嫌になっちゃった。……第一あの林という男は不愉快だね。あの妙に黙ったねっちりした態度が気に喰わないや。それにどうしたんだか彼奴が居る間は僕達もやはり帰らないようになったんだね。何も彼奴の向うを張っておたかをどうかしようというんじゃあるまいし、実際馬鹿げてる。……一体余り遊んでると頭が散漫になっていけない。」

「妙な考え方をしたもんだね。そんなことを考えるからいけないんだ。まあ君、ある遊戯を二人なり三人なりでやる場合に、対手が其処に居る間はこちらもやはり遊んでいたいというのは、普通のことだろうじゃないかね。