Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りそうのおんな
理想の女
豊島 与志雄
Lesen Sie 理想の女 (りそうのおんな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.162 Zeichen · 77 Bildschirme
」
私は自分の心が静に落付いてるのを感じた。笑いもしなければ、別に驚かれもしなかった。そして冷かに云った。
「お前は、僕が誰かに恋してるとでも思ってるのか。」
彼女は答えなかった。
「僕ははっきり云っておく、僕には他に恋人なんかありはしない。……然し、お前は一体誰のことを云ってるんだ?」
「あなたは、まだごまかそうとなさるんですか。御自分の心に尋ねてみなさるがいいわ。」と彼女は答えた。
穿鑿的な一種の興味が私のうちに湧いてきた。自分に覚えがないだけに、いやに頭が落付いていた。そして私は、知ってる女性の名前を一々挙げて尋ねた。彼女はそのどれにも、肯否の答えをしなかった。然し私が、「では夢の女なんだろう。」と嘲り気味の言葉を発すると、彼女は俄にいきり立った。そして「私に恋人があること」を、遠廻しに立証していった。私が始終出歩いてばかりいること、家に居ても様子に落付きがないこと、然し遊蕩を初めたのではないこと、なぜなら、酒気を帯びて帰ることも稀であるし、一晩も外泊して来たことがないから、そしてまた、女は子供を育てるのみが務めではないとよく云ってること、いやに何かを考え込んでばかり居ること、出かける時の慌しい様子のこと、みさ子に対して冷淡な素振りが多くなったこと、だから、「誰かに恋し初めてるに違いない。