Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはくのパイプ

琥珀のパイプ

甲賀 三郎

Lesen Sie 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.109 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

様子をみて居た刑事は、少し判らなくなって来たので声を和げて、

「兎に角庁まで来給え」と云った。

警視庁へゆくと岩見は悪びれずに自分に覚えのない事を述べた。青年の語る所を聞き終って、警部は頭を傾けた。青年の言が事実とすれば、実に妙な事件である。この時ふと警部の頭に浮んだ事があった。それは岩見青年が××ビルディング内東洋宝石商会の社員であると云うのを聞いて、端なくも二三ヶ月前の白昼強盗事件が思い出されたのである。早速岩見を訊問してみると、驚いた事には彼は事件に最も関係の深い一人であることが判った。

白昼強盗事件と云うのはこう云う事件であった。

花ももう二三日で見頃と云う四月の初旬であった。どんよりと曇った日の正午、××ビルディング十階の東洋宝石商会の支配人室で、支配人は当日支店から到着したダイヤモンド数顆をしまおうとして、金庫を開けにかゝった。支配人室と云うのは、社員の全部が事務をとっている長方形の大きな室の一部が凹間になっていて、その室に通ずる方にしか入口はないのであった。そして入口の近くに書記の岩見が控えているのである。支配人が金庫の方へ向う途端に、何だか物音を聞いた様なので、振りかえると、覆面の男がピストルを突きつけて立って居た。