Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ことのそらね
琴のそら音
Lesen Sie 琴のそら音 (ことのそらね) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.985 Zeichen · 42 Bildschirme
先刻机の上にある書物は何かと尋ねた時にも幽霊の書物だとか答えたと記憶する。とにかく損はない事だ。忙がしい余に取ってはこんな機会はまたとあるまい。後学のため話だけでも拝聴して帰ろうとようやく肚の中で決心した。見ると津田君も話の続きが話したいと云う風である。話したい、聞きたいと事がきまれば訳はない。漢水は依然として西南に流れるのが千古の法則だ。
「だんだん聞き糺して見ると、その妻と云うのが夫の出征前に誓ったのだそうだ」
「何を?」
「もし万一御留守中に病気で死ぬような事がありましてもただは死にませんて」
「へえ」
「必ず魂魄だけは御傍へ行って、もう一遍御目に懸りますと云った時に、亭主は軍人で磊落な気性だから笑いながら、よろしい、いつでも来なさい、戦さの見物をさしてやるからと云ったぎり満州へ渡ったんだがね。その後そんな事はまるで忘れてしまっていっこう気にも掛けなかったそうだ」
「そうだろう、僕なんざ軍さに出なくっても忘れてしまわあ」
「それでその男が出立をする時細君が色々手伝って手荷物などを買ってやった中に、懐中持の小さい鏡があったそうだ」
「ふん。君は大変詳しく調べているな」