Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ことのそらね

琴のそら音

夏目 漱石

Lesen Sie 琴のそら音 (ことのそらね) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.985 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

「今夜は鳴き方が違いますよ」

「何が?」

「何がって、あなた、どうも宵から心配で堪りませんでした。どうしてもただごとじゃ御座いません」

「何がさ。それだから早く聞かせろと云ってるじゃないか」

「せんだって中から申し上げた犬で御座います」

「犬?」

「ええ、遠吠で御座います。私が申し上げた通りに遊ばせば、こんな事にはならないで済んだんで御座いますのに、あなたが婆さんの迷信だなんて、あんまり人を馬鹿に遊ばすものですから……」

「こんな事にもあんな事にも、まだ何にも起らないじゃないか」

「いえ、そうでは御座いません、旦那様も御帰り遊ばす途中御嬢様の御病気の事を考えていらしったに相違御座いません」と婆さんずばと図星を刺す。寒い刃が闇に閃めいてひやりと胸打を喰わせられたような心持がする。

「それは心配して来たに相違ないさ」

「それ御覧遊ばせ、やっぱり虫が知らせるので御座います」

「婆さん虫が知らせるなんて事が本当にあるものかな、御前そんな経験をした事があるのかい」

「あるだんじゃ御座いません。昔しから人が烏鳴きが悪いとか何とか善く申すじゃ御座いませんか」

「なるほど烏鳴きは聞いたようだが、犬の遠吠は御前一人のようだが――」