Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
ですから自分としては、どこまでも一人の単純な青年を老嬢の無理から切り離そう、その侠気のようなものだけで心が奮い立って来たような気が致しますのは、やっぱり女は甘くて得手勝手なものなのでございましょうか。
わたくしは芳町の鰻屋を出て、家の方へ帰りかけました。日はまだ高く二時にはなりません。何とか作り事を言って家に帰れば帰れないこともありませんが、わたくしに、ふと、一つの智恵が構えられて来ました。「この事件は、なか/\簡単には片付くまい。当事者の葛岡とわたくしのような若い女一人の手だけでは間に合わなくなるかも知れない。そのときの力になる人を得て置かねばなるまい」
事件がこういう性質を帯びて来た以上、もう吉良でも義光ちゃんでもないことは判っています。わたくしは、やはり相談は池上以外にないと思って、暮に池上に会ったとき正月は浜町の寮に一人でいるから是非遊びに来いと言っていたのを思い出しまして、そこへ訪ねて行きました。
浜町というところは、今は人家櫛比してその面かげもありませんけれども、むかしは鄙びていて、風流人に縁のある土地で、下町では八丁堀茅場町辺と対立していたという話であります。