Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

なると思ってか、寮へ来てからめっきり女振りが上ったとか位がついたとか、わたくしに腹を立てさせるほどの褒め上げ方をしまして、序に池上に会っても、競売品の効能書を並べるようにわたくしの値打ちを吹聴します。もちろんその言葉のついでに相手の池上のことも褒めて煽てあげないことはありません。

池上は母の帰ったあとで、

「蝶ちゃんのおっかさんも、老いたね。もうもとの、人を操縦する技倆に自信をもって誰でも呑んでかゝったあの洒々した落付きはなくなったね」

それというのも、今年は蝶ちゃんのお父さんの先生が没くなって十年目になり、うちの店から毎月届けている遺族手当も、もうこの辺で切上げてはと店で相談があったのを、誰かから聞込んで、少々あわて気味になってるのではあるまいかと、話しました。

母のことのみならず世間の何事に対しても相当鋭い観察や常識的な頭を持っている青年の癖に池上は、寮に来てからのわたくしに対してだけは、まるで気狂い沙汰です。

わたくしは外出の口実を見出したいために尚も映画を見に行き度いと言い出します。するとこれで間に合うと言って、パテーベビーの映写機を持って来て、最新のフヰルムをかにかくに自分で写してみせます。