Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

と言って、今度は哄笑しました。声にも笑い方にも浄瑠璃語りのような地太いところがあります。

背は低いが肩幅の広い身体に作り附けたように大きな赭ら顔が載っていて、ちょっと奈良の一刀彫のようです。老けて見える割に歳は歴ってないらしく、太い眉と頭の髪は気味の悪いほど真っ黒です。いくら笑っても愁いの除かぬ切れ目の小さい眼でちろり/\わたくしを眺めながら物を言う間にも額口や袖口のカフスの中の手首をハンカチで拭く所作があります。まだ四月の始めなのに油汗がにじみ出るというのは余程精力的な男でなければ、どこか内臓に悪いところでもあるのでしょうか。

たちまち池上に命ぜられてウヰスキーのセットを運んで来た娘のおきみが、まず池上へ注ぎ、次に父親に向ってコップへ注ぎかけると「おっと、待った」と言って、コップの口を掌で蓋をしてから、池上に向い揉手をして、

「どうせ、頂くなら、一つヂャパンの方にして頂きましょうか」

と言ったが、そのあと、まるで商談のときのように、へら/\と笑いました。

おきみは珍らしくむっとした顔をして「お昼日中から――」と呟いて、相手にしませんのを、

「なにも酔払ったり、迷惑をかけたりしやしまいし――早く持って来い」