Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
どことなくしっかりして、そして淑やかな娘御だと、皆さんだいぶお気に入りです」
これを聴いて、いよ/\「まあ」と愕いたのはわたくしばかりではありませんでした。池上も寝転びかけた身体を擡げました。
「僕は、ちっともそんなこと知らないぞ」
と言います。するとおきみは、気付かれぬよう、すーっと立って座を外してしまいました。池上は、その後姿を睨めて、
「あいつが、僕に内密で本宅の連中の手引をしたのだな」
と言いますのを、嘉六は太って短い手を猫招きして煽ぎ消し、
「何ですね。若旦那だって、商売人の子じゃござんせんか。このくらい手近かにある現品の吟味を、今更、表に晒して野暮な実物看貫も出来ないじゃござんせんか。つもっても、ごろうじましな」
それから膝に権威附けた手の置き方をして、
「しかし、ねえ、若旦那。親という字は、立木に見るという字を書きますな。ご両親はああ見えていても油断なく、立木のような高いところから息子さんのあなたさまを見張っていらっしゃるんですぞ。実は、蝶子さんのことに就ても、蝶子さんのお父さまはああいう立派な方で申分はないのだが、おふくろさまは、蝶子さんの前では申し難いですが、ご承知の通り日蔭者とされている身分の方ゆえ、この点では随分、親御さまたちは御考えなさいました。