Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
わたくしは、お化粧も既に出来ていることなり、前に述べたような、たゞ「さあ、やりましょーう」という気持だけで立上って、玄関に待たしてある葛岡と一緒に、表へ出ました。
何という身窄しい葛岡になったことでしょうか。わたくしは、玄関で一目見たときに、却って「あら」と言って、噴出して笑ってしまったくらい、彼は憔悴していました。わたくしは肩を並べて歩きながらも、じろ/\と彼の風貌を見検めました。そして、
「どうしたのよ。おかしいわ。まるで、ひどくなってね」
と言いました。すると葛岡は、世にも恨めしそうな眼で、ちろりとわたくしを見返しましたが、
「おかしいとは何だ。ひとを莫迦にしている」
と、辛うじて言いました。そして怒ってるのでしょうが、怒り切るのも精が切れるらしく顔面の筋肉だけを痙攣さして、怒気はお腹の足しにでもというふうに生唾と一緒に呑み込んでしまいました。
「だって、あたしが、したことじゃないんだもの」
左側は、待合や小料理店や、ちょっとした茶房があり、右側は、浜町公園の側面に当る、その細道を、わたくしたちは歩いて行きました。部屋を建て込まして殆ど空地のないこれ等の商売屋は、門付を瀟洒と見せるためにも、また、庭代用に青味を需給するためにも、入口から垣うちに添うて花卉草木を繁く植え込み、晩春の木の芽の鮮やかさ、蘇る