Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
自分も巻き添えを受けてお払い箱になるのに決まっている。蝶子さん、君も、旨を諭して任意退学だろうが、君にはそんなことは大した苦痛でもあるまい。なぜというのに、君は学園から月給を貰っているのではなく反対に月謝を納めている人間なのだから。
あーあ、生活ということ、これがいかに人を必要以上に気を揉ませ、また臆病にすることだろう。安宅先生も、あゝ見えて、あれで、俸給の一部を割き、この繭価不振時代の養蚕を副業とする郷里の家の弟妹の学費のため月々仕送っている身分である。
自分は、自宅に母と祖母を抱えている。自分の少年の頃、一家に取って唯一の稼ぎ手であった父親を喪って以来、母と祖母が杖とも柱とも頼むのは独り息子の自分だけであった。夜店の植木屋をしている間も、植木屋をしながら園芸学校へ通っている時分も、母や祖母は、自分が家を出入りする毎に、自分の姿に向って「おまえ、ほんとに済まないよ。でも、よくやって呉れるね」と、手を合わさんばかりに感謝するのであった。安宅先生の手引で、F――学園の園芸手に住み込まれるようになってからは、家族の二人は、まるで息子が立派な官途にでも就いたような歓びであった。