Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

ステーションで教えられた夜明しの旅館に着きました。不寝番の男は私たちを奥まった二階の部屋へ案内しました。洋室擬いに窓を狭め、畳が敷いてある様子までが、胡乱に感じられる部屋つきです。若い男女の不時の投宿に男衆は気を利かしたつもりなのでしょうか。やがてその男衆の持って来た宿帳へ葛岡は物慣れた筆つきで書き与えました。

「夫婦ということにしといたよ。こういうところでは却ってその方が面倒でなくていゝのだから」

「そんなこと誰に習ったのよ」

葛岡は、ちょっと躊躇していましたが、

「安宅先生と鳥撃ちやスキーに一緒に行って、度々の経験から覚えたのだ」

と、わざと声を厳粛にして言いました。

それから、火鉢の火や茶道具を運んで来た小女中が、寝惚け眼で寝具を二つ並べて敷いて去ったあと、葛岡は、自分の分の布団をぐいと片側に寄せ、わたくしの分の布団との間に畳の空地を慥えました。そしてその空地の真中に、自分の締めていたバンドを外ずすと、縦一すじに置きました。バンドは白くて几帳面な置き方と共に何となく子供らしい所作に感じさせられます。これを眺めてわたくしが何か言い出すまえに葛岡は布団の上にきちんと坐って、