Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
と笑いが止め度もなく口に出ます。「よしなさい、人が見るから」と肘で小突く葛岡自身もわたくしと並んで歩く足取りが、まるで行進曲の譜の上を踏んでいるような弾み方です。わたくしは自分で少し気恥しくなりましても、しかし、自分で自分に言って聞かせます――所詮私たちはこどもです。諸行無常のメリーゴーラウンドに乗っているこどもです。ご免なさい。どうか調子のいいときだけは少し軽躁がしといて下さい。いずれは落馬しましょうから、そのとき差引勘定をして下さい。
僧院風の竪狭い窓に粗い滝縞の日よけが掛かっている蔭のテーブルで、苺のシアーベを食べ終ると急に食慾が出だしまして、生パンの粉のころもがかり/\と小気味のよい犢のカツレツを取寄せます。すると、そのあとは急に良き醤油に山椒の芽の匂う鯛の兜焼が食べたくなり、洋間の中に青竹の欄干の小座敷がしつらえてある和食の料理店へ河岸を替えます。そのあとまた甘気が欲しなるまゝ、細い路地を入って中二階に土足で上れるおしる粉屋で、上京中の宝塚少女歌劇の少女たちと背中合せに腰掛けて蜜豆を食べます。
日頃、倹約家の葛岡も、きょうは何とも言わない許りか、自分の使い残した僅かの所持金まで全部私に手渡したのでした。