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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし母は一たい病気には神経質な性質で、滅多にひかない感冒でもたまにこれにかかって熱でも出すと、もうこれで死ぬのじゃないかとあわて惑うような大袈裟なところがあります。その癖に医者は嫌いで、薬は廉いで有名な八丁堀の薬屋というのへ容態を話して売薬を買って来るという下町の旧弊女その儘の遣り方でした。

ですから、今度も、はたでは当人のいうほど心配もせず、心配したところで医者を呼ばせないのですからなんとも仕方がありません。するうち、いつか癒ってしまうのが例でした。

ところが今度は、病気の様子がおかしいので、わたくしと嘉六とは母を叱るようにして嘉六のかゝりつけの医者を呼んで来て見て貰いますと、むかし腎盂炎に罹ったあとが全く癒り切らないで残っていて、それが急に重り出して、やゝ尿毒症さえ併発していると申します。

「薬は上げますが、食餌の注意が第一です」

医者はこう申して帰って行きました。

「済まないがね、蝶子さん、しばらく家へ来ていて、お母さんの面倒を見てあげて呉れないかね」

いま急に人手を入れて見たところで、看護婦などは嫌がるお母さんのことだから、馴染のない人間なら一層辛がりなさるだろう、「やはり、あんたが世話してあげるのが一ばんだ」