Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

わたくしは、手付仕方でご新造さんが堤上を行きつ戻りつしたそのわけ、衣裳を拡げて検めたり、すゝり泣きをしたわけを訊ねました。

「あー あー」

するとご新造は苦笑して、張合のない手を振りましたが、わたくしが更にねつく訊ね進むのに動かされ、

「おまえさん、耳の方はいくらか通じるのかい。――よし聞えないにしろ、お互に女同志のことだから、親身の話なら何かしら通じないこともあるまい。とにかく話してみるから」

と言って、唖のつもりでいるわたくしに向って次のように語りました。

一年ほど前、この材木店の先妻は歿くなりました。歿くなった先妻はご新造の姉でありました。主人とご新造さんの姉とは永らく恋仲であった後結婚したのでした。ご新造さんの姉はこゝの主人と結婚後三年足らずの月日を過した一年ほど前、肺病で歿くなったのでした。そのとき姉は妹に遺言して、自分のあとに直って主人の妻となり、添い果てなかった自分のあとを代って添い遂げて貰いたいと望んだのでした。折角の旦那を赤の他人の女に添わせるよりはと。

ご新造さんは姉の遺言通り主人と結婚しました。妹は主人を憎からず思っております。