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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

河の中では猫背の老人のように見えた乞食も、こゝでは童顔をとゞめている若者として立ちはだかっています。繿縷にはなっているが兎に角、麻の着物であります。お秀が簡単服の前にかけたエプロンの端で額の汗を拭き/\乞食の着物の裾を火の上へかざしてやっているうち、着物はどうやらごわ/\に乾きかゝって来ました。乞食は一方の手で懐の魚を押さえ、一方の手で腰を押さえて、お秀が火に当てる都合で裾をずっと捲くり上げかゝると「あ」と言って掌で押えて撫で下げます。お秀はいま/\しがって、

「なにをそんなにきまり悪がるのさ。乞食になってもまだ見栄や外聞を構っているのかい」

お秀は、綻びたように笑い、裾をぐいと捲り上げてやります。すると文吉はそれを急いで掌で伸し下ろします。捲くった刹那に真新しい下穿きの藍白のスコッチ縞がちらとお秀の眼に入ります。

文吉は乞食にしては奇妙なところがあって、表面のものは兎も角も、直接肌につけるものは綺麗に洗濯したものでないと着ません。食べものも菓子以外は自分で煮炊きをしたものでなければ口にしません。町の医者は「それは潔癖症といって一種の精神病患者です」