Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
おふくろ様と言うのだよ。言ってごらん」
お秀はまた相通ぜぬ二人の問答が始まったと思いながら手をあてゝ、アセチレンの灯で照し出される川面を見ていました。西北から流れて来る多那川の流勢が対岸の東の岸に突き当り急角度に西南の岸へ折れ曲って来る水の、しばらく淵になっている岸にお秀の貸船宿が在ります。この淵とさっき文吉が魚を拾っていた大洲との境の上に多那川橋が掛かっているわけであります。
お秀の船宿は父親が生きている七八年前、素人の間に釣が流行り出した時分が全盛で、田舟十五六ぱいの外に荷足が三艘、それに中古のモーター船もその時代に買入れました。雇人の船頭も二人ばかりいました。しかし素人の釣客もだん/\巧者になり、鮒釣りの本場としてはこういう都会近くの荒し廻った川筋より、遠くの小利根の枝川から成田附近へ移って行きました。お秀の家ではだん/\持船を人に譲って、残した小綺麗な船だけにオールのクラッチを取付け女子供でも漕げるような遊山船にしました。夏の夜は舳にほおずき提灯を立てたこれ等の船が川面を賑かしました。
ペンキの剥げたモーターボートなぞ誰も借りに来る客はありません。