Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
文吉の語る話によって、本家の老主がどういう気持に在るかを探りながら「それから」「それから」と次を催促していた忠一は、しまいに文吉が、
「本家のおじいさんは、こっちは丈夫だからなか/\死なぬ。狸おやじにそう言えと言った」
と言うのを聞くと、忠一は何もかも力が抜けたように息を吐きました。
「やっぱり、弥太さんはおれが憎くって堪らんのかな。それで弱味を見せまいとするのかな。こっちは何も本家に悪いことをした覚えはないんだがなあ」と呟きました。
「何だか知らんが、おまえのことを狸おやじと言ったぞ」
と文吉は面白そうに言いました。忠一の顔の血管は膨れ上って来ました。
「そっちがその気なら、こっちもこっちだ」
と言ってまた溜息を吐きました。これは新百瀬の一家の中で啓司を除いた以外は、本家の理由もなしと見られる憎しみに対する反抗の言葉でありました。
「今度、本家へ行ったら、じいさんにそう言ってやれ、新百瀬の狸じゝいは丈夫だって。本家のじいさんなんかよりも先に死ぬもんかって」
文吉は、もう老隠居を見ているのに飽きたらしくあっさり「さよなら」と言って飄然と去ります。今度はわたくしを連れて来たのを忘れたと見え、わたくしは置いてけぼりです。