Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
お秀は胸を開けて締っている乳房へこどもを宛てがいました。
むくん/\といってこどもは乳房に吸い着きました。お秀は身体中を大きな蛭に取巻かれたような薄気味の悪いらしい顔をしましたが、それを我慢していると、直ぐに何かこどもと一緒に融けてしまいたい、みず/\した愛が湧き上って来るらしい表情を見せて来ました。しかし、その恍惚の気持に在りながら、いつ乳房を噛み付かれるか危険を待ち設けている不安の恐れが生々した緊張になってお秀を充したと見え、融けた顔はまた緊しく締って来ます。
お秀は天地が破れでもしたような刺激を感じたのでしょう。思わず「いた!」と、顔を歪める刹那にお三は例の扱い慣れた手つきで赤子の鼻を抓みました。そしてはあと言って口を開けた赤子を抱き取りました。
「は は は は。やっぱり噛み付くでごぜえましょう」と言って、お秀と一緒に乳首を覗きました。少し赤みがかった筋が入っただけで傷にはなりませんでした。
憎んでいゝか憐れんでいゝか判らない興奮がお秀を通過しているらしい間にお秀は、ふと新しい希望が計画のようなものになって胸に浮んだらしく乳房を見詰めたまゝ考え込んでいます。