Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
男の心が須臾も自分より反れないために、その男は魅気に疲れヘト/\となり、かの女の愛の薬籠中のものとなる。かの女は得た男ならその男が独りで寝て見る夢の中ですら他の女の現れたのを話すことに嫉妬した。わたしは今でも思う――一人にしてかの女と対等の力で愛し合える男がこの世で在り得るだろうかと。もしあっても、恐らく永い間には愛の気魄に負かされて精神羸弱者になってしまっただろうと。かの女の愛には何か相手からいのちの分量を吸取る磁力のようなものがあった。子孫の種を取った後に雌は雄を食ってしまい、それが愛の完成であるあの蟷螂の精のようなものであった。また一方、かの女くらいいじらしく憐れな女はなかった。何故ならば普通の分量の女が如意としているものもかの女に取っては不如意であった、儘ならないのであった。この意味でかの女くらい現実に諸行無常を感じた女は少く、かの女は人界以上のものを人界に望んでいるのだ。そしてかの女自身は獣身を持ちながら聖なるものをも掴んでいた。わたしはかなり後までそれに気付かなかった。
夫婦となってしまえば素人ですら二三年の後には男女としての間柄の興味は失せてしまう。