Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
ものに思いながら、また努めて、それに脅えたりそれを憎んだりするようにわれとわが心を仕向けて来ています。それで敢て恋とか愛とかそんなものでなく、たゞ頼母しい男性の友だちというものを得られたらわたくしはどんなに嬉しいでしょう。それなら一人が二人と三人になろうとお互いに抵触するものであるまい。
わたくしはこの怜悧で人の良い青年に、わたくしの人生の設計を話してみようか。
曳舟蒸汽の汽缶や汽笛の音はしば/\川づらに響く。斜に見える清洲橋の上を往来する車の灯は稀になった。瀟洒とした橋梁の影がその欄干に並ぶ灯火の光に浮いてやゝ凄味を帯び空に高く黝ずみわたっています。汽船の残した波が座敷の台の石垣に寄せて、海辺のようにも聞えます。
わたくしは、朱泥の徳利を取上げます。母が仕慣れた酌の手つきなら見よう見真似で、わたくしにも出来たけれども、それをすることは何となく気恥かしく、わたくしはたゞ徳利を棒掴みに掴んで注ぎ口を池上の方に向けました。
「お酌してあげてよ」
池上は、怪訝な顔をして盃を差出しましたが、わたくしに注がれた盃の縁を口に銜んで下に置くと、
「男のお酌なんか滅多にしない方がいゝよ」