Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せいたいのりゅうこう

生態の流行

宮本 百合子

Lesen Sie 生態の流行 (せいたいのりゅうこう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.586 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

「学生の生態」という字をじっと見ていると、学生というものが現実その書棚のまわりにも群がって埃と膏と若さの匂いをふりまいている様々の心と体との生々しい人間たちではなくて、その本の著者の心情からスーと遠のいて自然科学的な観察の対象と化された半透明な、自発的な意志のない、海月か何ぞのように感じられて来るのは、何と悲しい心持だろう。

ここにたとえて云えば「現代学生の動向」という題があったとする。決してジャーナリスティックでもないし、文学的でもない題だと思う。謂わばこちたき題名で、そこに著者が肩書つきであらわれていれば、随分と取締の立場も感じられる題の一つである。それにもかかわらず人々はその題を見てすぐ日常自分たちと混ってそこら辺にいる生身の好もしく又好もしからざる青年たちとしての学生を感じ、彼等の生活の姿を眼底に髣髴する。それに対して漠然直感されている各人の日頃からの感想というようなものも、その題への一瞥と同時に動かされて来るのを感じると思う。自分たちが嘗てはそのものであった学生、兄や弟や仲間たちが皆そうである学生、よろこんだり悲しんだり不幸をもったりして成長と挫折の可能の間に青春を経験しつつある外ならぬその学生としての感じが、親密に共感をもって伝えられて来ると思う。