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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

それには返事はしなかったが、弦四郎は次のように云って笑った。

「丹生川平の郷民達は、貴殿を歓迎なさるまいよ」

「何故な?」と、茅野雄はけげんそうに云った。

「必ずや歓迎をいたしましょう」

「駄目々々」といよいよ嘲笑ったが、曠野の上に仆れている、丹生川平の郷民達の、死骸を弦四郎は指差した。

「貴殿、この者達を殺したではないか」

「悪漢ゆえに殺してござる」

「貴殿はここにいる令嬢姿の乙女を、遮二無二助けようとなされたではないか」

「不幸の誘拐されの乙女だからよ」

「何にもご存知ないからじゃよ」

ここで弦四郎は皮肉に笑った。

「で拙者、お知らせいたそう。……貴殿が討って取られたところの、仆れている五人の若者達こそ、丹生川平の郷民達なのでござるよ!」

「何を馬鹿な! そのようなことが!」

「貴殿が助けようとなされた乙女は、丹生川平の郷民達にとっては、讐敵にあたる白河戸郷の、郷の長の娘の小枝という乙女で」

「…………」

「そこでもう一言云うことがござる。聞いたら胸が潰れるでござろう。――拙者は目下丹生川平におります。とこう云うのがその一つでござる! 丹生川平の郷の長の、宮川覚明殿に依頼されて小枝を奪いに来たものでござる。