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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

……で、貴殿にも心を巡らされ、白河戸郷を滅ぼすような、うまい策略をお立てなされ!」

云い捨ると弦四郎は行ってしまった。

茅野雄は後を見送ったが、心の中で呟いた。

(ああ云われると俺といえども、内陣の中へ入って行って、何が内陣に置かれてあるのか、ちょっと調べて見たくなった)

星月夜ではあったけれど、森に蔽われている丹生川平は、この夜もほとんど闇であった。

神殿が設けられているという、岩山の辺りはわけても暗く、人が歩いていたところで、全然姿はわかりそうもなかった。

そういう境地を人の足音が、岩山の方へ辿っていた。

足音の主は宮川茅野雄で(何が内陣に置かれてあるか、ちょっと調べて見たくなった)――この心持が茅野雄を猟って、今や歩ませていたのであった。

古沼の方に燈火が見えた。病人達が古沼の水で、水垢離を取っているのであろう。

どことも知れない藪の陰から、低くはあるが大勢の男女が、合唱している声が聞こえた。

病人達が唄っているのであろう。

が、神聖の地域として、教主の宮川覚明が、許さない限りは寄り付くことの出来ない、この岩山の洞窟の入り口――そこの辺りには人気がなくて、森閑として寂しかった。