Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

……旦那、やり口があくどいようで。妹にだって用事はありましょうよ。その、私用という奴がね。……何の包物だか存じませんが、何か妹に思わくがあって、どこかへやろうとしていますようで。――へい、来かかって小耳へ挿んだので。……いくら旦那でもそんなことへまで、干渉なすっちゃアいけませんな。……おい、京助さん、早くお行き! ハッ、ハッ、ハッ、行ってしまったか」

小気味よさそうに声を上げて笑った。

勘右衛門が怒ったのは当然と云えよう。さも憎さげに弁太を睨んだが、

「うむ、お前さんは弁太殿か、妹をいたぶりに参られたと見える。……妹とは云ってもわしの女房だ、そうそういたぶって貰いますまいよ。……が、そんなことはどうでもよい! 何故今わしの邪魔をされた! 返辞をおし! ……と、今になって云ったところで、こいつどうにもなりそうもない! ……京助々々包物をよこせ! ……おや京助め行ってしまったか! ……待て待て待て、遁してたまるか!」

で、弁太を背後へ見すてて、勘右衛門は門の外へ走り出したが、もうこの頃には手代の京助は、町の通りを足早に、先へ先へと走っていた。

京助は往来を走っている。