Japanische Klassiker mit Furigana
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こうしゅうぐんないようかいじけんとりしらべほうこく
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告
井上 円了
Lesen Sie 甲州郡内妖怪事件取り調べ報告 (こうしゅうぐんないようかいじけんとりしらべほうこく) von 井上 円了 (いのうええんりょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.934 Zeichen · 18 Bildschirme
例えば、ここに中村という人ありて、その姓を問わんとするに、そばより「この人は木村なりや」と問いて応答なきときは、さらに「渡辺なりや、河村なりや」なおその答えなし。「中村なりや」と問うに至って、ついに一声の応答を得るがごとし。また、人の年齢のごときは、声の数にて応答せしなり。かくて本年二月ごろより、その声わずかに五音をいいわけ、よく談話するに至れり。ただし、その口笛のごとき響きのみのときも、またよく談話するに至りし後も、不明瞭の状態より明瞭の状態に進み、次第に発達熟練せし跡ありきという。しからばすなわち、この怪声は狐狸のごとき怪物ありて、女子の体外においてなすものにあらざること疑いなし。もし、狐狸の類これをなすものならば、なにゆえに最初より談話をなさざりしか。かく熟練してついに談話するに至れりというは、取りも直さず、かの女子の所為なることの確証にあらずや。(以下次号)
第五に、予は杉本氏に向かい、かの怪声が用うる言語はいかなる種類のものなるかをたずねしに、その土地の同輩間に用うる言語と、さらに異なることなしといわれたり。果たしてしからば、すなわち、かの怪声がかの女子の所為なる一証というべし。