Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうしゅうちんぶたい

甲州鎮撫隊

国枝 史郎

Lesen Sie 甲州鎮撫隊 (こうしゅうちんぶたい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.891 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「お千代様、さぞ泣いたでございましょうねえ。……いずれ、返書で、怨言を……」

「返書は無い」

「まあ、……何んとも?……それでは、女の方では、あなた様が想っている程には……」

「莫迦申せ!」

と、総司は、眼を怒らせて呶鳴った。

「お千代はそんな女ではない! お千代は、失望して、恋いこがれて、病気になっているのじゃ!……と、わしは思う。……病気になってのう」

総司は膝へ眼を落とし、しばらくは顔を上げなかった。部屋の中は静かで、何時の間に舞込んで来たものか、母指ほどの蛾が行燈の周囲を飛巡り、時々紙へあたる音が、音といえば音であった。総司は、まだ顔を上げなかった。お力は、その様子を見守りながら、(何んて初心な、何んて生一本な、それにしても、こんな人に、そう迄想われているお千代という娘は、どんな女であろう?……幸福な!)と思った。と共に、自分の心の奥へ、嫉妬の情の起こるのを、何うすることも出来なかった。

親友は討ったが

「あのう」

と、ややあってからお力は、探るような声で云った。

「細木永之丞というお方は、どういうお方なのでございますの?」

「ナニ、細木永之丞※(感嘆符疑問符、1-8-78) どうしてそのような名をご存知か」