Japanische Klassiker mit Furigana
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こうしゅうちんぶたい
甲州鎮撫隊
国枝 史郎
Lesen Sie 甲州鎮撫隊 (こうしゅうちんぶたい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.891 Zeichen · 28 Bildschirme
私は当惑して、では何うしたらよいのかというと、お前と斬合ったでは、私に勝目は無いし、斬合おうとも思わない、私は向うを向いて歩いて行くから、背後から斬ってくれと云い、ズンズン歩いて行くのだ。月の光で、白く見える河原をなア。背後から何んと声をかけても、もう返辞をしないのだ。……そこで私は、……背後から只一刀で……首を!……綺麗に討たれてくれたよ」
息を詰めて聞いていたお力は(それじゃア永之丞さんは、話合いの上でお討たれなされたのか。……では総司さんを怨むことはないわねえ)と思いながらも、矢張り涙は流れた。その涙を隠そうとして、窓の方を向いた。すると、その窓へ、小石のあたる音がした。お力はハッとしたようであったが、
「蒸し蒸しするのね」
と独言のように云い、立って窓際へ行き、窓を開けた。暈をかむった月に照らされて、身長の高い肩幅の広い男が、窓の外に立っていた。
お力は窃っと首を振ってみせ、すぐに窓を閉め、元の座へ帰って来た。
総司は俯向いていた。自分が斬った、不幸な友のことを追想しているらしい。
「沖田様」
とお力は、総司のそういう様子を見詰めながら、
「妾を何う覚召して?」