Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まちのてんし

町の天使

小川 未明

Lesen Sie 町の天使 (まちのてんし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.100 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

また、霧の降った日も……。けれど、少年は、夜になって、大空がぬぐわれたように星晴れがして、寒い風が吹く真夜中には、きっと、天使が自由に、あの翼をふるって、大空を飛びまわるのであろうと思いました。けれど、人は、だれもそれを知らない。そして、天使は、いつもじっとしているとばかり思っているのだと考えました。

「僕は、おまえが、夜になって、だれも人間が見ていないときに、空を飛びまわるのを知っているのだよ。」と、少年は、天使に向かっていいました。

こういっても、天使は、ただ黙って笑っているばかりでした。

S少年は、病気にかかりました。

もう幾日も学校を休んで、一間にねていました。そのうちに、秋もふけて、いつしか冬になりかかり、木がらしが家のまわりに、吹きすさんだのであります。いろいろの木立の葉が、ざわざわといってささやきました。そして、はげしい風の襲うたびに、それらの葉たちは、ちょうど火の子のように、大空に飛び上がり、あてもなく野原の方へと駆けてゆくのでした。

少年は、窓から、いつしか、さびれきった庭の中をながめていました。かしの木の下に、たくさんどんぐりが落ちていました。