Japanische Klassiker mit Furigana
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まちのしんり
町の真理
小川 未明
Lesen Sie 町の真理 (まちのしんり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.120 Zeichen · 7 Bildschirme
貧乏人
「なるほど、みんな、そっちへばっかりゆくのう、どんな傑作があるのか、おまえのおつきあいをしてみようか。」
叔父さんは、博物館の方を名残惜しそうに、もう一度見返ったが、つい甥の後からついて美術館の入り口をはいってゆきました。
帰る時分になって、叔父さんは、思いました。――西洋画なんて、どこがおもしろいのだろう? そして、博物館にいい陳列があるのに、見にゆかずに、こちらへばかりやってくる――。
「高い金を出して見るだけのこともないじゃないか。」と、叔父さんはいいました。
「叔父さん、昔の絵は、いくらよくたって、冷たい墓石のようなものです。いまの若い人の画には、自分たちと同じ血が通っています。まあ、自分の姿を見にゆくのですね。」
「すると、おもしろくないのは、もう自分の姿がどこにも見いだせないというわけかな。そう考えれば、さびしい気がするのう。」
頭の白くなった、人のよい叔父さんは、ほんとうに、さびしそうに笑いました。
貧乏人
達者のうちは、せっせと働いてやっとその日を暮らし、病気になってからは、食うや食わずにいて、ついに、のたれ死にをしたあわれな男がありました。