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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

こう言ったら、臆病とか弱虫だと笑うかも知れないが、人通りの絶えた田舎路をこんな女と道連れになって行くのは決して愉快なものではない。せめて月明かりでもあるといいのだが、あいにくに今夜は闇だ。

「じゃあ、あなたはほんとうに市野君を殺したんですか。」と、僕は念を押して訊いてみた。

「剃刀で喉を突いて、川のなかへ突き落したんですから、たしかに死んでいると思います。わたくしはこれから警察へ自首しに行くんです。」

「冗談でしょう。」と、僕は大いに勇気を出したつもりで、わざとらしく笑った。

「知らないかたは冗談だと仰しゃるかも知れませんけれど、それが冗談かほんとうか、あしたになれば判ります。わたくしは市野という男を殺すために、今度故郷へ帰ってくるようになったのかも知れません。」

僕は又ぎょっとした。

「あなたはなんにも御存じないでしょうから、だしぬけにこんなことを言うと、定めて冗談か、それとも気でも違っているかとお思いなさるでしょうが……。」と、相手はこっちの肚のなかを見透したようにまた言った。「けれども、それはほんとうのことなんです。このあいだ、兄と一緒にお帰りになったそうですが、そのときに兄がわたくしのことについて、なにかお話をしましたか。