Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
それが風呂場だなと思った時に、ひとりの女が戸をあけてはいって行くのでした。うす暗いところで、そのうしろ姿を見ただけですから、もちろん詳しいことは判りませんが、どうも若い女であるらしいのです。
それを見て僕は立ちどまりました。どうで宿屋の風呂であるから、男湯と女湯の区別があろうはずはない。泊まり客か宿の人か知らないが、いずれにしても婦人――ことに若い婦人が夜ふけて入浴しているところへ、僕のような若い男が無遠慮に闖入するのは差控えなければなるまい。――こう思って少し考えていると、どこかで人のすすり泣きをするような声がきこえる。水の流れの音かとも思ったのですが、どうもそれが女の声らしく、しかも風呂場の中から洩れてくるらしいので、僕もすこし不安を感じて、そっと抜足をして近寄って、入口の戸の隙きまからうかがうと、内は静まり返っているらしい。たった今、ひとりの女が確かにここへはいったはずなのに、なんの物音もきこえないというのはいよいよおかしいと思って、入口の戸を少し明け、またすこし明けて覗いてみると、薄暗い風呂場のなかには誰もいる様子はないのです。
「はてな。