Japanische Klassiker mit Furigana
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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
」と、中間は自分ながら不思議そうに小首をかしげていた。
「主人の手紙でも持っているか。」
「御親類のことでござりますから、別にお手紙はござりません。ただ口上だけでござります。」
「その西瓜というのはお前も検めて来たのか。」
「お出入りの八百屋へまいりまして、わたくしが自分で取って来て、旦那様や御新造様のお目にかけ、それで宜しいというので風呂敷につつんで参ったのでござりますから……。」と、かれは再び首をかしげた。「それが途中でどうして人間の首に変りましたか。まるで夢のようでござります。まさかに狐に化かされたのでもござりますまいが……。なにがどうしたのか一向にわかりません。」
暮れ六つといっても、この頃の日は長いので往来は明るい。しかも江戸のまん中で狐に化かされるなどということのあるべき筈がない。さりとて田舎者丸出しで見るから正直そうなこの若い中間が嘘いつわりを申立てようとも思われないので、番人らも共に首をかしげた。第一、なにかの子細があって人間の生首を持参するならば、夜中ひそかに持ち運ぶべきであろう。暮れ方といっても夕日の光りのまだ消え残っている時刻に、平気でそれを抱えあるいているのは、あまりに大胆過ぎているではないか。