Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme
詰まりそれだけの事さ。むかしの人はしばしばそんなことに驚かされたのだな。その西瓜をたち割ってみると、青い蛙が出たとか、髪の毛が出たとかいうのは、単に一種のお景物に過ぎないことで、瓜や唐茄子からは蛇の出ることもある。蛙の出ることもある。その時代の本所や柳島辺には蛇も蛙もたくさんに棲んでいたろうじゃないか。丁度そんな暗合があったものだから、いよいよ怪談の色彩が濃厚になったのだね。」
彼は無雑作に言い放って、又もや高く笑った。いよいよ小癪に障るとは思いながら、差しあたってそれを言い破るほどの議論を持合せていないので、わたしは残念ながら沈黙するほかはなかった。外はいよいよ日盛りになって来たらしく、油蝉の声がそうぞうしく聞えた。
倉沢はやがて笑いながら言い出した。
「そうは言うものの、僕の家にも奇妙な伝説があって、西瓜を食わないことになっていたのだ。勿論、この話とは無関係だが……。」
「君は西瓜を食うじゃないか。」
「僕は食うさ。唯ここの家にそういう伝説があるというだけの話だ。」
私は東京で彼と一緒に西瓜を食ったことはしばしばある。しかも彼の家にそんな奇妙な伝説があることは、今までちっとも知らなかったのである。