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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

もちろん山岸はそんなことに頓着する筈もない、ただ自分の言いたいだけの事を言えばいいのでしょう。やがて又向き直って話しつづけました。

「自分の口から言うのも何だが、わたしはこれまでに相当の勉強もしたつもりで、弁護士試験ぐらいはまず無事にパスするという自信を持っていたんですよ。うぬぼれかも知れないが、自分ではそう信じていたんです。」

「そりゃそうです。」と、私はすぐに言いました。「あなたのような人がパスしないという筈はないんですから。」

「ところが、いけないからおかしい。」と、山岸はさびしく笑いました。「君も御承知だろうが、ことしで四回つづけて見事に失敗している。自分でも少し不思議に思うくらいで……。」

「私もまったく不思議に思っているんです。どういうわけでしょう。」

「そのわけは……。今も言う通り、わたしは幽霊に責められているんですよ。いや、実にばかばかしい。われながら馬鹿げ切っていると思うのだが、それが事実であるからどうにも仕様がない。今まで誰にも話したことはないが、わたしが初めて試験を受けに出て、一生懸命に答案を書いていると、一人の女のすがたが私の眼の前にぼんやりと現われたんです。