Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

うみがめ

異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二

岡本 綺堂

Lesen Sie 異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二 (うみがめ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.507 Zeichen · 291 Bildschirme

Aozora Bunko

百物語

今から八十年ほどの昔――と言いかけて、O君は自分でも笑い出した。いや、もっと遠い昔になるのかも知れない。なんでも弘化元年とか二年とかの九月、上州の或る大名の城内に起った出来事である。

秋の夜に若侍どもが夜詰めをしていた。きのうからの雨のふりやまないで、物すごい夜であった。いつの世もおなじことで、こういう夜には怪談のはじまるのが習いである。そのなかで、一座の先輩と仰がれている中原武太夫という男が言い出した。

「むかしから世に化け物があるといい、無いという。その議論まちまちで確かに判らない。今夜のような晩は丁度あつらえ向きであるから、これからかの百物語というのを催して、妖怪が出るか出ないか試してみようではないか。」

「それは面白いことでござる。」

いずれも血気の若侍ばかりであるから、一座の意見すぐに一致して、いよいよ百物語をはじめることになった。まず青い紙で行燈の口をおおい、定めの通りに燈心百すじを入れて五間ほど距れている奥の書院に据えた。そのそばには一面の鏡を置いて、燈心をひと筋ずつ消しにゆくたびに、必ずその鏡のおもてを覗いてみることという約束であった。